Boris x TOKIE Special Interview Vol.2
ベーシストTOKIE、ベーシストではない? Takeshi
—TOKIEさんがベースを始めたきっかけは吹奏楽部でのコントラバスということなのですが、これまでの活動経歴を簡単に教えていただけますか。1993年頃はニューヨークにも行かれていたんですよね。
TOKIE:そうそう。2年弱ニューヨークと日本を行ったり来たりしていて、サルファーっていう多国籍のノイズバンドをやっていました。ノイズバンドって言っても今聴くと普通なんだけど。
—ニューヨークから日本に帰ってきた後はどんな活動をされていたんですか?
TOKIE:サポートの仕事をしながら、誘われてライブやったりということがしばらく続いていたかな。で、その中にRIZEがあって、2000年にメジャーデビューが決まって、同じタイミングでAJICOにも誘われて…という感じですね。
—様々なバンドで演奏されていますが、今まで参加されてきたバンドとBorisはまた異なった音楽性ですね。
TOKIE:うん、全然違う。Borisは私が知らなかったジャンルというか、すごく新しい扉でした。
EarthQuaker Devices Tour 2019 at 新代田FEVER (2019.05.26)
—ベーシストとしてTakeshiさんはTOKIEさんの演奏をどう感じますか?
Takeshi:僕ベーシストじゃないですよ(笑)。
一同:(笑)。
Atsuo:Takeshiは元々ギタリストで、成り行きでベースを弾いてるみたいな感じなんで。Wataも流れでボーカルやってるくらいの感じだから。
Wata:ボーカルはそうですね。完全に。
—Atsuoさんも最初はドラムじゃないですもんね。
Atsuo:最初ボーカルだった。
TOKIE:そこがね、すごく斬新というか衝撃というか。エフェクターをいっぱい使って爆音で歪ませているのも「カッコ良いから」とか「こだわりがあって突き詰めたい」とかじゃないとこから始まってるていうのも、なんて人たちなんだろう!て思って衝撃的でした。
Atsuo:本当にミュージシャンシップがないよね(笑)。
Takeshi:だからね、TOKIEさんを見ると「どうやったらあんな風に弾けるんだろう」って素直にそう思う。「上手だなぁ!」って(笑)。
TOKIE:これ書いていいの?(笑)
Takeshi:本当にそう思っちゃうんですよ(笑)。
Atsuo:初めてリモートでレコーディングしたのに音の粒が揃ってたから、やっぱりちゃんと手元で上手なんだよね。ベーシックが違う。
Takeshi:俺らはベーシックないからね!
TOKIE:(笑)。言い切った。
Atsuo:言い切ります!(笑)本当のことなので。だからね、コンセプト、肌触り、世界観ありきみたいなところはあって、風呂敷を広げることは得意。で、そこにTOKIEさんみたいな方がいるとすごく相性が良いね。
EarthQuaker Devices Tour 2019 at 新代田FEVER (2019.05.26)
"Reincarnation Rose” MVは大混乱?
—TOKIEさんのMV出演は最初からお願いする予定だったんですか?
Atsuo:うん、実際にレコーディングで演奏していただいているのでTOKIEさんとシュガーさんには出てもらおうと思っていて。でも「俺とTakeshiは何をやるんだろう?」となって、それだったらよっちゃん(吉村由加)に入ってもらおうっていうことで、こういう形になりました。
TOKIE:よっちゃんが一番活躍してる(笑)。
Atsuo:衣装のpays des fées(ペイデフェ)ってブランドのショップにTOKIEさんも一緒に試着しに行って、初めに選んだ衣装を着てもらったらTOKIEさんが「えっ?えっ??」って大混乱を起こして(笑)。
Wata:スカートがすごく短くて「お尻が出ちゃう!」ってずっと言ってた(笑)。いや、全然出てないんですよ?気持ち的な問題で。
TOKIE:着れるかな…?みたいな(笑)。
—その衣装がお蔵入りしてしまったのはちょっと残念ですね。Wataさんの衣装はすんなり決まったんですか?
Atsuo:本当はTOKIEさんがMVで着てたやつをWataが着る予定だったんだよ。
TOKIE:そうなんだ。
Atsuo:気づいたらいつの間にか入れ替わっていて。でもTOKIEさんがあの衣装に決まって、Wataもメインのボーカリストっぽいレザーのジャケットでちょっとハードなイメージで。で、最終的によっちゃんが日活ロマンポルノ風なポージングでキャラをグッと立てて(笑)。
TOKIE:ちょっと昭和感あったよね(笑)。
Reincarnation Rose MV
Atsuo:TOKIEさんの笑顔でベースを弾いているのに対して、シュガーさんはクールビューティーで…と自然にキャラ分けができてて良かった。撮影当日、よっちゃん以外はみんな「大丈夫なんだろうか?」という不安そうな気持ちをチラチラさせながらね。
Wata:髪型も「え?ウィッグなんだ?」みたいな。
Atsuo:MVの編集途中でもWataが「大丈夫なの?大丈夫なの?」ってずっと不安がっていて。
Wata:顔と服と髪のバランスがちゃんと取れるかな、大丈夫かなって。ちゃんと観られるものになるのだろうか、と。
TOKIE:うん、あれはちょっと不安。だから早く色んな人に観てもらって反応が知りたいよね(笑)。
—MVではWataさんしかBorisメンバーはいないですからね。初めて観る人はどれが誰だかわからなくなりそうですね。
Takeshi:結構みんな色々混乱すると思うよ。楽しみだね。
TOKIE:早く公開されないかな。
Atsuo:Yutaro監督との初コラボレーションで、素晴らしい映像になりました。みなさんに見てもらえるの楽しみですね。
Boris / Reincarnation Rose (CD)
Live photo by Miki Matsushima