Boris with 栗原ミチオ Special Interview vol.3
このインタビューはBoris with 栗原ミチオ 単独公演(2018年12月29日"不透明度"at新代田FEVER)直前に行われたものです。
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(栗原さんを)勝手にメンバーにしてた
—やっぱり3人での演奏とは違いますか?
Wata:もう、全然違います。
Atsuo:“フレア”とかは栗原さんいないとできないもんね。
Michio:早いアルペジオとか、僕もあれはギリギリで弾いてます。
Takeshi:俺がデモ作った時に2本のギター、バッキングとそれに乗っかるメロのフレーズで作ってたから。
Atsuo:(栗原さんを)勝手にメンバーにしてたからね。このパートは栗原さんで、こっちはWata、とか。
Michio:なんか難しいフレーズをつくるんですよ、アルペジオとか。「こんな音、どうやってライブでできるんだ?」みたいなね。
一同:(笑)。
Wata:(Takeshiのギタープレイの)手くせが真似できないんですよ。
Michio:その手くせが難しいんでね。
Atsuo:同期を使ってた時期もだけど、栗原さんが離脱した直後もすごく大変だった。
—アルバム『Noise』を作っていた頃ですね。
Atsuo:そう。栗原さん入りの“黒猫メロディ”のデモもある。で、栗原さんのマシンガン・トレモロみたいなエフェクトを再現するために、Wataが新しく機材を導入したりとか、それまで4人でやってたことを、3人に落とし込むみたいな、そういう時期が結構大変だった。あの頃は特にがんばって練習してた。
Takeshi:俺はそんなにつらい気はしなかったけどね。元に戻ったくらいの感覚というか 。アレンジし直す作業もわりと楽しかったような記憶かな、俺の中では。
Atsuo:その前の『New Album』で一番盛り盛りな音像だったから、そこからグッとそぎ落としていく、そういう段階があったのは良かったなぁと思うね。
それは今にも繋がってるし、3人の音で充分というところから、また栗原さんに入ってもらって、そこでのおもしろい音はなにか?というのも考えられるし。だからこそ別のバンドとしてやっていきたいね。
Live (2016.2.28)
—ライブはどういった感じになりそうでしょうか。
Atsuo:「ミチオ〜!」ってみんなが言ってほしい。
Michio:それはどうなんですかねえ…。
一同:(笑)。
Atsuo:2018年9月の25周年記念ファイナルの時、栗原さんの立ち位置がステージセンターだったでしょ。あれ凄く居心地悪かったらしい(笑)。
Michio:居心地悪かったです。
Atsuo:人生初センター。
Michio:大概、上手側だからね。
Atsuo:今回は立ち位置逆ですね、下手側に栗原さんが来るんで。で、Wataがセンター。こっちのバンド(Boris with 栗原ミチオ)はもっとナチュラルにやりたいね。
—衣装もナチュラルに変わったり?
Atsuo:じゃあ全員ボーダーのシャツにしよう(笑)。栗原さんといえばボーダーのロングスリーブが制服だから。
Michio:なにそれ(笑)。
それより、今回Wataさんがベース弾くっていうのがびっくりな感じなんだけど、今までなかったですよね?
Wata:なかったです。以前“不透明度”をやったときはギターでオクターブ下げて弾いてましたから。実際ベースに持ちかえてやるのは初めてで。
—なぜ今回はベースに持ちかえよう、ということになったのでしょうか?
Atsuo:2018年夏のUSツアーの時、Mike Wattにベースもらってね。本当こういうのは縁だからさ。
Wata:ボディが小さくて私でも弾きやすいし、色もオレンジだし。いつも使ってるレスポールよりも軽いんです。
Live (2016.2.28)
Borisではできないことを色々やりたい
—2018年末のライブ以降の予定はありますか?
Atsuo:2月8日のライブがちょうど決まりました。高円寺のUFOクラブで。
—それは Boris with 栗原ミチオとしてでのライブですか?
Atsuo:うん。Borisとは違う独立したバンドとして今後もライブ入れていきたいね。
—栗原さんのソロ作品『Sunset Notes』の曲なども演奏する予定はありますか?
Takeshi:今回のライブでは2曲。“風の12方位”と“夕暮れのジャイロ”かな。
Atsuo: 2019年2月のライブは今回のセットの抜粋+αかな。Borisではできないことを色々やりたい。ライブはドンドン入れていきたいですね。もったいないっていう言い方は適切じゃないけど、こんな凄いギタリストを埋もれさせとくのはね。
Michio:いやいやいや。でもねBorisのおかげで色々なところで演奏できたのは感謝してますよ。
Atsuo:ひどい目ばっかりあってるのに(笑)。イタリアではステージから落ちてるからね。
Michio:ちょうどフカフカのソファーがあって怪我しないで済んだという。
Atsuo:そのころはTakeshiの横の立ち位置だったから、スペースが狭くて。
Michio:いま思えばよくあの狭いスペースに機材置いてたよね。時々縦置きにしたりして…いろんな経験したなぁ。
今となっては、美しい思い出ですよ(笑)。
Atsuo:『Smile』のツアーのときは13本連続ライブとかあって、相当空気悪くなってたからね(笑)。みんなギスギスしてたから。「つらすぎる!」って。
Michio:しかも12本目、13本目が同日だったよね。
Atsuo:12 本目がPichfolkのフェスで、13本目がその日の夜で…。
Michio:あの時けっこうキツかったよね!
Atsuo:12、13本目はほんとよく覚えてる、あれは。
Michio:みんな喋らなくなったりして…。
Atsuo:昼間のPitchforkのフェスが野外の炎天下だし、電力が足りなくて何回もアンプの電源が落ちるし。
—過去のツアーではトラブルは多かったですか?
Michio:うーん、電源が落ちたりするのはよくあったけど、逆にいうとトラブルはそれぐらいかな。1回トイレのドアが壊れて開かなくなって閉じ込められましたね、NYで。
Atsuo:あったあった(笑)。
Takeshi:Torche[*1]と回ってたときですね。ドラマーのRickが体当たりでドアをぶち壊して。
Atsuo:その、ドアを壊す時の英語のやりとりがうまくいってなくて「こっちから叩き壊すから、できるだけドアから離れてろ!」っていうのを栗原さんは勘違いしてドアの近くにいようとしたりとか、危なかったですよね。
Michio:通りがかったWataさんがトイレの外で翻訳してくれてて。
Wata:私が変な風に翻訳したから…ごめんなさい。
一同:(笑)。
Michio:鍵か壊れてたか何かで、ドアがロックされちゃってどうにも出られなかったんですよね。あれ結局体当たりで壊したんだっけ?
Takeshi:どっかんどっかんやってましたよ。
Atsuo:あの時はね、一緒に回ってるバンドも楽しかったですよね。
Michio:うん、Torcheはおもしろかった。対バン、良かったよね。ヨーロッパ、アメリカ…どこもおもしろかったですよ。
<Special Interview - extra talk へ続く>
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